問題 1.3 同次多項式の非零点

さて問題文は以下の通り(p.6*1 )

問題 1.3 F(X_0,X_1) \in \mathbb{C}[X_0,X_1]を同次多項式とする.
(F\neq 0):=\{ P \in \mathbb{P}^{1} | F(P)\neq 0\}とおく. (F\neq 0) \mathbb{P}^{1}の開集合であることを示せ.

この問題も \mathbb{P}^{1}が商空間であることを利用しよう.
定義から,(F\neq 0) \mathbb{P}^{1}の開集合 \iff  \pi^{-1}((F\neq 0))  \mathbb{C}^{2}-\{(0,0)\}の開集合.
 \pi^{-1}((F\neq 0))
 =\{(a_0,  a_1) \in  \mathbb{C}^{2}-\{(0,0)\} | F([a_0,a_1])\neq 0\}
 =\{(a_0,  a_1) \in  \mathbb{C}^{2}-\{(0,0)\} | F(a_0,a_1)\neq 0\}=:U

Uが開集合であることを言えばいい.
ここでその補集合,つまりF\mathbb{C}^{2}-\{(0,0)\}の中の零点F^{-1}(0)について考えてみよう.

F\mathbb{C}^{2}-\{(0,0)\}から\mathbb{C}への連続写像であるので, F^{-1}(0)\mathbb{C}^{2}-\{(0,0)\}閉集合*2
U=(\mathbb{C}^{2}-\{(0,0)\}) -F^{-1}(0)なので, U\mathbb{C}^{2}-\{(0,0)\}の開集合.

*1:小木曽啓示 (2002) 「代数曲線論」 朝倉書店

*2:閉集合である一点\{0\} \in \mathbb{C}連続写像Fによる逆像F^{-1}(0)閉集合.ここでハウスドルフ空間の一点集合は閉集合であることに注意